暫定語意

虚構、創作あるいはフィクションに纏わる話

一周年おめでとうキャンペーン

 

 ブログを更新し始めて丁度、一年が経過した。節目なので内省的に内政的なことをやろうと思う。内政的とはいっても、内閣改造じみた大袈裟なことをやるつもりはない。過去記事を振り返りながら暗中模索するだけである。無論、フィクション縛りという当ブログの指針を根底から覆すつもりはないので、そこは安心してもらいたい。

 

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映画「スリー・ビルボード」 その炎は誰を焼く


監督 マーティン・マクドナー
出演 フランシス・マクドーマンド、ウッディ・ハレルソン、サム・ロックウェル

 

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 よく晴れた休日の午後、気分転換にあなたはドライブへ出掛ける。お気に入りのバンドのCDをオーディオにセットし、缶コーヒーを啜りながら自慢の愛車で田舎道を走り抜ける。そしてその道中、不思議な光景を目の当たりにする。道路と芝生しかない開けた平地に、赤い看板が三つ並んでいた。看板には次のように書かれている。

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映画「キングスマン」 礼儀知らずを屠る礼節

監督 マシュー・ボーン
キャスト コリン・ファース タロン・エガートン 他

 

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 娯楽作品と割り切って鑑賞すれば傑作。真面目に観察してしまうと理解に窮する作品。最後の試練や花火のシーンなど、ツッコミを入れたくなる気持ちは痛いほどわかる。わかるのだが、そういった見方をしてしまった時点で、たぶんこの映画はもう十分には楽しめない。なぜなら、「キングスマン」は意図的にそのように設計された作品だからだ。悲劇的な気分に浸りたいがためにお笑いコンサートへ通う人間はいない。空腹を紛らわすためにコンサートライブに向かう人間もいない。それと同じように、人生哲学を学ぶために「キングスマン」を観るべきではない。

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