意味があれば気にしないですむ

虚構、創作あるいはフィクションに纏わる話

映画

映画「散歩する侵略者」 思考の停滞と崩れ落ちる日常

監督 黒沢清 出演者 長澤まさみ 松田龍平 長谷川博己 他 これだけゾワゾワする映画は久しぶりだった。特に宇宙人の描き方については素晴らしいの一言に尽きる。よくもまあ、あれだけ不快なキャラクターに仕上げたものだ。宇宙人たちのキャラ造形もそうだが、…

「アイアンマン」の血を継ぐ「スパイダーマン ホームカミング」

監督 ジョン・ワッツ 原作 スタン・リー出演 トム・ホランド、マイケル・キートン、ジョン・ファヴロー、ロバート・ダウニー・Jr 、グウィネス・パルトロー 想像以上に「アイアンマン」の映画だった。単純にトニー・スタークやパワードスーツの登場回数が多…

映画「ファーゴ」 冗談では済まなくなった冗談

監督 ジョエル・コーエン脚本 ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン出演 フランシス・マクドーマンド、ウィリアム・H・メイシー、スティーヴ・ブシェミ、ピーター・ストーメア 他 「冗談が冗談にならない」そんな状況に人は誰しも巡り会う。悪意の塊のよ…

映画「ハクソー・リッジ」 信念を以て戦場を制す

監督 メル・ギブソン 出演 アンドリュー・ガーフィールド、ヴィンス・ヴォーン、サム・ワーシントン他 www.youtube.com キリスト教と戦争の関係性について、次のようなことを考えたことはないだろうか。 「聖書では人殺しを禁止しているのに、なぜ戦争は許容…

映画「メアリと魔女の花」 職人として生きていく覚悟 

スタジオポノックの第一回長編作品。監督は元スタジオジブリの米林宏昌。 「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」などのジブリ作品をモチーフにしながら、スタジオポノックはそれらを…

小説『何者』 自己分析のその先で躓く就活生たち

朝井リョウの原作と、三浦大輔の映画を観ての感想。 小説が苦手という人や、感受性が高すぎて精神的ダメージを受けやすい人は映画から観た方がいいかもしれない。ジャンルの構造上仕方ないところはあるが、基本的には原作のほうが心理描写が読みやすいのでそ…

映画「パトリオット・デイ」 当事者と外野の温度差

監督 ピーター・バーグ キャスト マーク・ウォールバーグ、ケビン・ベーコン 他 www.youtube.com 日本から遙か約一万㎞、太平洋を越えた彼方の地で発生したテロリズムを我々日本人はどのように認識できるか。突き放すような他人行儀で冷たい物言いであること…

映画「夜明け告げるルーのうた」 解説と考察

監督 湯浅政明 脚本 吉田玲子 www.youtube.com 内気な少年カイが人魚ルーと知り合い、次第に心を解放していく、そんなお話。 高校生バンドのサクセスストーリーのように見せながら、一方で、思春期な少年と純粋無垢な人魚との心の触れ合いをやってみたり、よ…

映画『ノー・エスケープ 自由への国境』 解説と考察 

監督はホナス・キュアロン。キャストは、ガエル・ガルシア・ベルナル、ジェフリー・ディーン・モーガン他。原題は「No Escape www.youtube.com 本編開始から僅か数十分足らずで、物語は大きく動き出す。 アメリカ合衆国への不法入国を試みるメキシコ人集団が…

実写版「攻殻機動隊」を奇妙だと感じるワケ

ghostshell.jp 自分探しの旅に出た家出少女が、自分探しの無意味さに気付き、国家警察所属の全身サイボーグ人間になって、母親の待つ家に帰宅する話。

映画「偽りなき者」 他人を信じるな。疑うことを疑え

※「Hideo Tube(ヒデチュー)」第六回で紹介されていた映画「偽りなき者」の感想記事です。直接的なネタバレは避けていますが、できることなら鑑賞後推奨。 小島監督の推しっぷりが尋常ではなかったので、気になって気になってようやく鑑賞。なるほど、万人…

映画「キングコング: 髑髏島の巨神」 弱肉強食では語れない強さ

wwws.warnerbros.co.jp この映画に弱肉強食というフレーズはあまりしっくりこない。神に見放された存在から消えていく、という方向性で観たほうが色々と納得できる内容だと思った。というのも、純粋な強さ比べをさせるならば、コングに知性を備えた闘い方を…

ストーリー理解を深めたい人向けの『ひるね姫』解説

wwws.warnerbros.co.jp 神山健治監督作品「ひるね姫」のストーリーがよくわからなかった人向けの解説記事。非常に完成度の高い作品なので、もっと理解を深めたいという人は是非、この記事に目を通して欲しい。

映画「ラ・ラ・ランド」 渋滞に鳴り響くクラクション

gaga.ne.jp 最近観た映画の中でいえば、「ラ・ラ・ランド」は断トツにわかりやすかった。 夢を追い求める者ならば誰しも、何を貫き何を犠牲にするか、その問題にはまず間違いなく直面する。なぜならば、人は夢を追うだけでは生きていけないからだ。世間を無…

「ラ・ラ・ランド」とアカデミー賞の話

業界人ウケする映画というのがこの世の中には一定数存在する。今年、アカデミー賞最多六部門を受賞した「ラ・ラ・ランド」もそういった類いの作品の一つだろう。 この映画を観た人ならば、容易に想像できると思う。というのも、ハリウッドの第一線で活躍する…

映画「虐殺器官」 ツッコミ不在の恐怖に君は抗えるか

project-itoh.com 虐殺器官という小説を一つのブラックコメディとして捉えている人は意外と少ないかもしれない。 自分にとって虐殺器官とは、最高に下品でなおかつグロテスクな形をしたブラックコメディだった。もし間違って吹き出したりでもした瞬間、周囲…

映画「沈黙 -サイレンス-」 沈黙は敗北を意味しない

www.youtube.com ありきたりな表現かもしれないけど、力強い物語を見たなあ、とそんな印象。映画館でこんな気分に陥ったのは、イニャリトゥ監督の「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」以来かもしれない。 長崎への密入国に始まり、異国での…