映画「ゴッホ 最後の手紙」 狂気と優しさの筆跡
監督 ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン
出演 ダグラス・ブース、ジェローム・フリン 他
芸術家というのはよく奇人・変人を指し示す言葉として用いられる。万能人とまで呼ばれたレオナルド・ダ・ビンチや、パフォーマンスとして奇人を演じたサルバトール・ダリはその例に漏れないだろう。常識に囚われず空想の世界に浸り自由気ままに生きる、それが世間一般の人々が抱く芸術家のイメージだ。
芸術家は人々の理解の外にあるものを生み出そうとする。想像力を限界まで働かせ、誰もが予想もしてなかった世界を構築する。無論、それは芸術の目指す一つの目標地点だ。彼らの興味が世間一般のものとは多少ズレていたとしても、それは当然だといえる。職業柄仕方のないことなのかもしれない。
性格類語辞典[ポジティブ編][ネガティブ編] 創作のオトモに
「幽遊白書」や「HUNTER×HUNTER」の作者で知られる漫画家の富樫義博氏が以前、このような言葉を残して話題を攫ったことがある。
漫画家のステップとして応募した人へ:話の勉強をしてください。苦労するのが嫌なら凄いキャラを作ってそいつが動くのに任せてください。漫画家になりたいのなら絵を描いている暇なんてないはずです。
話の勉強というのは、創作の方法論、すなわちドラマツルギーのことだろう。話を作り込むのが不得意な作家志望に対し、富樫氏はキャラクターを作り込むことを要求している。この発言に疑問を抱いた人も多いかもしれない。漫画の優先順位としては、キャラクターより物語の展開や演出ではないか。ストーリーが良ければキャラクターなど二の次ではないか、そう考える人も中にはいるかもしれない。
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