暫定語意

虚構、創作あるいはフィクションに纏わる話

ゲーム『バイオショック インフィニット』 解説と考察

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 主人公ブッカー・デュイットは元軍人である。十六歳のとき、彼は第七騎兵隊員としてウンデット・ニーの虐殺に参加した。原住民のインディアンの顔を剥ぎ、その野営地に火を放つうちに、ブッカーは大量殺人に対して快楽を見出していく己の姿を自覚する。内に秘めた残虐性に畏怖した彼は、その罪の意識から逃れるため洗礼によって第二の人生を歩むことを決意する。洗礼名ザッカリー・カムストック。洗礼によって生まれ変わったはずの男は、しかしながら、歴史がかつてそうであったように同じ過ちを繰り返すのだった。

 

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ゲーム『バイオショック』 解説と考察

 

 2016年、2Kによってリリースされた「バイオショック コレクション」。今回はその中でも初代「バイオショック」を紹介したい。攻略情報ではなくストーリー解説がメインになるので未プレイの人はネタバレ注意。

 

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小説『何者』 自己分析のその先で躓く就活生たち

 

 朝井リョウの原作と、三浦大輔の映画を観ての感想。

 小説が苦手という人や、感受性が高すぎて精神的ダメージを受けやすい人は映画から観た方がいいかもしれない。ジャンルの構造上仕方ないところはあるが、基本的には原作のほうが心理描写が読みやすいのでそっちをお薦めたい。

 余談だが、作者は新入社員として働きながら本作を書き上げたらしい。最年少直木賞作家のバイタリティー恐るべし。

 

www.shinchosha.co.jp

 

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